最近ぎっくり腰を発症される方が多くなってきています。
急性腰痛、いわゆる「ぎっくり腰」と言われるものにも、状況や状態は様々です。
あらゆる状況で違ってきますが、一般的なぎっくり腰の発症直後、または数時間後に、少し動くのにも激痛が走る状態になった時の対処法をお教えします。
また、ぎっくり腰の原因の多くを占めるのが「仙腸関節」です。
ぎっくり腰を予防するために、仙腸関節について、場所、働きなどを解説します。
ぎっくり腰を発症した時の対処法
すぐに治療に行ったほうがいい?
「魔女の一撃」を受けたような、身動きするのもつらいぎっくり腰を発症した時は、すぐに病院や治療院に行ったほうがいいのでしょうか?
(治療は早めに行ったほうがいいです)
しかし、少し動こうとすると激痛が走るような状態の時は、自力や他人に抱えられて移動して病院や治療院に行くのは困難です。
無理して動くと悪化させてしまいます。
まずは、何とか痛みを感じない姿勢があると思うので、その姿勢で安静にすることが大切です。(そこから少し動こうとすると激痛が走りますが……)
その場しのぎに「芍薬甘草湯」
その場しのぎではありますが、まずは急激な痛みを抑えるためにも痛み止めの薬を飲んでもいいと思います。
病院の痛み止めは、来院しなければ処方されないので、動くのが困難な場合に備えて、市販の痛み止めを常備しておくといいです。
市販の痛み止めでは、頭痛、歯痛、肩こり、生理痛、腰痛などに効く一般的な痛み止めよりも、漢方薬の「芍薬甘草湯」のほうが、ぎっくり腰にはいいと思います。
芍薬甘草湯は足のケイレンによく使われる漢方薬ですが、急激な筋肉の痛みにはとても効果があり、即効性がとてもあります。
ぎっくり腰をよく発症する方は、芍薬甘草湯を家に常備していたり、持ち歩くといいですね。
しかし、芍薬甘草湯も漢方と言えど、その場しのぎなので、予防の為に飲んだりするものではありませんので注意が必要です。
そして、1日くらい安静にして動けるようになったら治療院等へ行きましょう。
辛いながらも日常生活を送れるように
急性期の腰痛治療の目的は
日常生活を送れるように補助する
事です。
仕事や家事はなかなか休めませんし、小さなお子様がいる方は待ってはくれません。
まずは日常生活が送れるように
- 足などを操作して可動域を広げる
- 炎症を取り去る
- テーピングで筋・関節の補助
- 場合によっては骨盤バンド
- 交感神経の緊張をとる
などで日常復帰して頂けるようにします。
その後、段階的に筋肉や関節の施術に入ります。
ぎっくり腰の経過状況
前にも書きましたが、ぎっくり腰といっても状況や状態、原因、度合いなどは様々です。(そもそも、ぎっくり腰という病名はありませんが)
魔女の一撃を受けたような急性腰痛後の緩和までの日数は、早い方で5日、長い方で2週間くらいです。
平均1週間から10日くらいです。
発症当初は動くのも困難で、とても不安だと思います。
時間経過と共に回復していきますが、仕事や家事などの日常生活に支障をきたさないよう、または、大切な用事の前に発症しないように、普段から自分の身体と腰痛の仕組みを良く知り、なるべく発症しないように気をつけることが大切です。
仙腸関節について
仙腸関節ってどこ?
腰痛の原因の多くは仙腸関節にあると言われています。
仙腸関節は骨盤の「仙骨」と「腸骨」をつなぐ関節です。
強力な靭帯で繋がっていて、通常は2ミリ程度しか動きません。
ここに不具合が起こると、腰痛や足、肩などにも症状が現れます。
「しまりの位置」と「ゆるみの位置」
ぎっくり腰対策で覚えて欲しいのは、仙腸関節の「しまりの位置」と「ゆるみの位置」です。
直立か、やや腰をそり気味の時が、仙腸関節は「しまりの位置」にあります。
腰を曲げた状態の時は、仙腸関節は「ゆるみの位置」にあります。
このゆるみの位置で、重いものを持ったり、急に動いたり、衝撃が加わったりした時にぎっくり腰を発症します。
掃除機をかけている時にもなりやすいですね。
イスに座った状態もゆるみの位置になります。
急に立ち上がったりする時は注意が必要です。
また、仙腸関節はとてもデリケートな関節ですので、真上から強く押したり、マッサージ機を直接ここに当てたり、強くぶつけたりしたら、不具合が起こり、ぎっくり腰や慢性腰痛に発展したりします。
仙腸関節の仕組みを良く知り、「下の物を持つ時は膝を曲げて慎重に」「腰が曲がった状態で急に動かない」などのことを気をつけて、ぎっくり腰を予防してください。